FX大学 / RESEARCH NOTE 01

ドローダウンは深さ。
Underwaterは時間。

「最大ドローダウンはそれほど大きくない」。それだけで安心していいのか。長期バックテストを伸ばしたら、別の問題が約14.9年ぶん出てきました。

約14.9年
QuickShift長期研究シミュレーションで観察されたUnderwater期間。

『FX大学』の研究方針が大きく変わった瞬間のひとつは、良さそうに見えてきた戦略を、もっと長い期間で検証した時でした。

長期研究シミュレーションの最大ドローダウンは約11%。数字だけを見ると、「致命傷ではなさそう」に見えます。

問題は、深さではありませんでした。

時間でした。

似ているようで、別の2つの問い

Maximum Drawdown
過去の高値から、どれだけ深く落ちたか。

Underwater Period
高値を離れてから、その高値を回復するまで何日かかったか。

この2つは同じではありません。下落幅が比較的小さくても、高値を取り戻すまで何年もかかる戦略はあり得ます。

QuickShiftの長期検証では、MTMベースの高値が2011年9月22日。その後、2026年7月末になっても新高値を更新していませんでした。

5,426日。約14.9年です。

「15年待ったら、ワイ人生ほぼ終盤になっとるやん」

「待てるか」は、数字だけの問題ではない

ドローダウンはリスク指標として扱いやすい。一方、時間は人間側の制約です。

15年間高値を更新しない戦略を、資金を入れたまま信じ続けられるのか。途中で止めないか。ルールを変えないか。別の戦略へ飛びつかないか。

しかも、そもそも自動売買を作り直した理由が「今より自由な時間を作りたい」だったなら、15年待つ前提は目的そのものと噛み合いません。

一本の最強EAから、教授6人へ

ここから研究の問いが変わっていきます。

「すごく強い自動売買を1本作れないか?」

ではなく、

「利益源も、壊れ方も違う戦略を組み合わせて、全体として生き残れないか?」

へ。

ここで「教授」がただのネタではなくなります。教授が一人死んでも大学全体は潰れない。分散を大学制度として考えるようになりました。

AI時代ほど、疑う仕事が増える

AIのおかげで、コードを書けない人間でも仮説を実装して、テストするところまでは急速に近づけるようになりました。

でも、作るコストが下がるほど「それっぽい戦略」も量産できます。

だから難しい仕事は、作ることから、疑うことへ移ります。

長期化したら壊れないか。OOSで残るか。過剰最適化していないか。似た戦略ばかり集めていないか。そして、人間自身が途中で壊さないか。

THE FULL CHRONICLE

『FX大学』第一部 開校前夜

コードを1行も書けない眼科院長がChatGPTと自動売買を再構築していたら、教授候補の墓場、採用基準、監査、研究班、そして教授6人の大学までできてしまった実録です。

Amazon Kindleで読む

Kindle Unlimited対象。英語版 FX University も公開中です。

研究上の注意:ここで扱う2005–2026年の長期テストは、QDMを通じて取得したDukascopy由来H1データを使った研究シミュレーションであり、単一ブローカーの約20年間の取引条件を完全再現したものではありません。バックテスト、OOS、フォワードテスト、デモ運用などの過去データは将来の収益を保証しません。本記事は投資助言ではありません。